
写真はティソのCason自動巻きで、2013年発売モデルのパワーマティック搭載モデルです。
カタログでこのモデルを見ていたら、あまり何も感じないくらい普通な時計だったけど、実際に見てみるとおもしろい仕上がりになっています。
特別な書体は使わず、王道のローマン数字文字盤を使い、針は真っ黒ではなく(文章では説明しづらいですが)、少し色あせたような風合いになっています。まるでアンティークのようなデザインになっており、現行のパワーマティック搭載モデルの中では昔ながらのレトロ感あふれる時計に仕上げられています。
よく見ると文字盤がダブルサンクになっており、段差ができているので光の角度で少し影ができるというこのデザインは、王道のスイス時計というよりは、鉄道時計によく採用されています。
アメリカを象徴する個性として現在に残るアンティークなどにも採用されている事が多く、ウォルサムのアンティーク鉄道時計などにもこのダブルサンクの文字盤を見たことがあります。
現在は比較的自由に文字盤などレイアウトできますが、昔の技術だと段差をつけるだけでけっこうな技術を必要としたと思います。
完全に昔を復刻したわけではなく、よく見ると3時方向にデイトカレンダーを配置するなど、現行の時計としてのスペックは保たれているので、日常使いにとても向いています。
鏡面仕上げで高級感のあるケース、茶色に変更しても違和感がないブラックの革ベルトなど、スーツに合わせやすいモデルです。
バイヤー:合田圭四郎

正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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