
当店では入荷した時計をじっくり見るようにしています。使い方だけでなく、見た目の特徴などメーカーが発信する情報が異なっている場合や、前触れのない仕様変更などがあるからです。
スイスで作られる時計と、日本などアジアで作られる時計ではブランドやスペック、品質とは別に異なる部分があります。全ての時計で、というわけではないのですが基本的に違う部分がサイズです。
基本的に欧米人向けに作られているものは日本人などアジア人では大きめになっており、ブレスレットの場合必ずと言っていいほど調整が必要になります。
調整できるのであればまだ問題ないのですが、ラバーの場合カットする必要があったり、革ベルトの場合穴を別に開ける必要があるのです。
スポーツなど世界レベルで日本人の活躍など増えてますが、やはり基本的な体格差はあるようです。
さて、当店はインターネットでも販売しているため、たまに調整を頼まれることがありますが、ブレスレット以外の調整は行なっておりません。なぜ行なっていないのかというと、このサイズ調整にはとても個人差というか感覚が必要になるからです。
例えば腕周りが17cmで合ったとする場合、ジャストサイズは測ればわかるのですが、少しゆったり目にしたいのか、きつめに合わせたいのかで変わってきます。店頭の場合ですと、お客様のサイズを計測し直接お話をしながら微調整が可能なので、確実に合わせることが可能です。しかしインターネットの場合、感覚がわからないためどうしても「おおよそ」のサイズになってしまうのです。
この場合、お客様のご近所の時計店や量販店をおすすめさせていただいております。当店にて調整できればいいんですが、お客様の感覚まではわからないからです。調整でコマの脱着が可能なブレスレットならまだしも、カットが必要なラバーやウレタンベルトの場合は、いざ切り過ぎると元に戻せません。
革ベルトも同様で、もともと開いていない部分に穴を開ける必要があります。
もちろん二度と元に戻せません。
最も間違いのない方法は、実際に当店へお越しいただき時計を腕に合わせてみることなのですが、なかなかそうもいきません。なのでお買い上げ後どうすればいいのかというと、お届けさせていただいた時計を一度腕に合わせ、それから調整をします。二度手間になりますが、これが間違いありません。
先に加工をするよりも、一度合わせてからご自身のサイズに合わせてください。
バイヤー:合田圭四郎

正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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