
ここ数年、ビッグサイズの時計が流行しました。中には60mm近い、下手をすれば懐中時計よりも大きい腕時計なんていうのも出ていたぐらいですが、その傾向も落ち着き、今ではレトロタイプを見かけるようになりました。
時計の形には数種類あり、ラウンド型という円形な最もベーシックな形、スクエア型と呼ばれる正方形型、レクタンギュラーと呼ばれる長方形型、トノーと呼ばれる樽型、名前そのままのイメージでラウンドとスクエアの中間とも言えるクッション型などがあります。
個人の主観もあるとは思いますが、ここ近年はクッションケースをよく見かけた気がします。もともとクッション型は少し古い時代の時計に多く、見た目もなんとなくレトロな印象を受ける時計が多くラインアップされました。
クッション型が現在になり復活してきたのと同じように、現代に蘇ってきているのがメッシュブレスレット。とても細かいメッシュ状のステンレスブレスレットで、コマ数が多すぎて数えられないほどです。
このメッシュブレスレットは、ゴムのように伸縮するタイプとそうでないタイプの2種類が存在します。
伸縮するタイプは、ブレスレットなのに腕にピッタリとフィットするので、通常のステンレスブレスレットを着用している人には、若干締め付けられるような感覚になると思います。
このメッシュブレスレット、見た目は好みがわかれると思うほど個性がありますが、実はかなり実用的と言えます。
ブレスレットですが切り離すことができ、革ベルトの時計同様平置きすることができます。また、通常のステンレスブレスレットですとコマを外し調整する必要があるのですが、メッシュブレスレットは好きな場所を設定することができるので、わざわざ工具を使ったり、時計店に持ち込んで調整して貰う必要はないのです。
難点はきめ細かいメッシュなので、洗うときなど洗い残しが発生する可能性が高い、という事です。
自分で工具を使わず簡単に調整できる、というのは結構重宝する要素で、例えば自身以外の人間が着用する場合でも、簡単に調整ができるから複数の人間で1本の時計をシェアできるのです。
もちろん極端にサイズが違う方はできないかもしれませんが、場合によっては夫婦で同じ時計を持つ、という事も可能になるのです。ゴツゴツした印象を与える3連ブレスレットは、やはりどちらかというと男性が似合う傾向にありますが、メッシュブレスレットだと女性が着用してもあまり違和感がありません。
今まで日本では、女性は女性用の腕時計、男性は男性用の腕時計が常識とされていました。しかし現代では女性が男性用の腕時計を着用しても、別に違和感ありません。
バイヤー:合田圭四郎

正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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