現代の時計は時計本来の「時間を見る」という機能を飛び越え、ステータス感であったり機能であったり個性的なものが多くなってきているように思います。
個性あるモデルで言うと、実際に石をケース素材に使ったティソのロックウォッチなんて当時かなりインパクトがあったと思われます。石の中にムーブメントを入れ時計に仕上げるなんて、まさに前代未聞という言葉が似合います。
担当するデザイナーやブランドの方針によりならではな特色があります。他ブランドでもかなり模倣されている機能ですが、タイメックスが発明した機能でインディグロナイトライト機能というものがあります。
リューズを押すことにより、文字盤全体が光り暗いところでもハッキリと時刻を確認できる機能です。1992年にタイメックスが開発するまでどこも作っていなかった機能なのですが、余計なボタンを追加するでもなく、時刻の操作に使うリューズを押しこむことによりバックライトが点灯するというのはとてもシンプルな機能と言えるでしょう。
タイメックスの全てのモデルに使われているわけではありませんが、生産される時計の75%のモデルにこの機能が搭載されているのです。
タイメックスの定番シリーズで、クラシック・ラウンドというシリーズがあるのですが、このシリーズでウッドという名のモデルがあります。
その名の通り木をイメージしたモデルで、ベルトだけでなく文字盤にもまるで木と思わせるような模様がデザインされているのが特徴的な時計です。
この時計にももちろんインディグロナイトライト機能が搭載されているのですが、暗闇に持って行ってウッドのリューズを押し込んでみると、見事に木の模様まで反映されているのが見てわかります。
リューズを押してみると、木目調にきちんと反映されているあたり、なかなかユニークなデザインといえる時計です。
実用性だけでなく、遊び心も必要だと実感させてくれる一本です。
バイヤー:合田圭四郎

正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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