
写真はフォルティスのB-42コスモノートクロノグラフ(左)と中国製偽物(右)の時計です。
※フォルティス公式サイトより抜粋。
フォルティスの特徴である視認性の高さが全く表現されていないチープなものです。どうせ偽物を作るのであれば、もうちょっと精巧にできるようこだわって欲しいものです(笑)。
実はこれ、2008年にドイツのフランクフルトで行われた、偽物を表彰する「プラギアリアス・キャンペーン」という、皮肉たっぷりの表彰で受賞したフォルティスのコピー品です。
当店でインターネットにて2002年より正規品の時計を販売し続けています。
確かなものを提供できるよう、正規品のみの取り扱っているのですが、ふといろんなホームページを拝見すると偽物を堂々と販売しているサイトを見かけます。
香港など海外に行くと、よく偽物を販売している露店など見かけます(日本でもありますが)。粗悪なものは、機械式専門ブランドのはずで、文字盤にAUTOMATICなのに秒針がカチッカチッと動いているクォーツ式だったりします。
このあたりですと時計の知識が無くても簡単に見破ることができるのですが、たちが悪いのは「スーパーコピー」と呼ばれるものです。下手をすれば同じスイス製のムーブメントを使っていたりるするんですけど、偽物の文字盤やケースを使い(よく見ると文字の書体など違う場合が多いです)、パッと見た目は本物にそっくりな仕上げになっている時計です。
市場価格は3万円ほどで販売されていますが、偽物と明記して販売しているものはまだしも言葉を濁し、さも本物であるかのような販売をしているところもあります。
もちろん中身のムーブメントを見ると一発でわかりますが、それ以外にもパーツが全然違うなど、必ず本物と異なる部分があります。
当店で取り扱っているブランドは、誰でも知っているナショナルブランドではないので比較的コピー品は少ないですが、それでも歴史あるブランドではコピー品が作られています。
個人的な所感ですが、偽物を撲滅することは不可能と考えています。なぜなら、ブランドに対する憧れはありながら価格が高くて購入できない、という人が多いのも事実だからです。
しかし騙されるのはまだしも、自ら進んで偽物を購入するという行為は立派な犯罪行為です。
偽物は最初の購入価格が低いかもしれませんが、結局末永く使うこともできず、また壊れると偽物を購入する、という負のスパイラルに陥ります。これを何度か繰り返すだけで本物は購入できます。
目先だけの割安感で安易に知りながら偽物に手を出すと、犯罪の片棒をかついでいるようなもので、犯罪となり逮捕されてしまいます。
ぜひ引っかからないよう気をつけてください。
バイヤー:合田圭四郎

正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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