
キューバの革命家として死後の現在でも名高く人気の高いチェ・ゲバラ。
愛用していた時計として有名なのが、ロレックスのGMTマスターであり、気に入って自身だけでなく父親にプレゼントした、という逸話の残るマーヴィンの腕時計です。
現物はキューバのチェ・ゲバラ博物館にあるらしく、数少ない画像と情報を確認すると丸型ではなく、クッションケース(名前の通りソファーなどで使うクッションに似た形)になっています。
時代的にはそこまで自動巻き時計が普及しているわけでもなく、おそらく機械式は手巻きが主流であったと思われます。
もちろんゲバラの使っていた時計も例外なく手巻き式でした。
2008年の取り扱い当初から、マーヴィンには1モデルだけ手巻き式が存在し、ゲバラが持っていた時計に一番近い条件という事から根強い人気を誇っていました。
そしてある年のバーゼル・ワールドで、新しいモデルの話をした時にゲバラが持っていたモデルの復刻版を出すかもしれない、という情報が入ったのです。
これは絶対に押さえておくべきモデルと確信していましたが、残念なことに実現されることはありませんでした。
なにらや著作権や肖像権など、開発するに様々な問題があったとのことです。
このモデルが実現するのであれば、今でも人気が出ると個人的には確信しています。
期待のゲバラモデル復刻は実現されませんでしたが、代わりに一番近い条件のモデルが発表されました。
マルトン160クッションというシリーズで、本体を見るとこれぞゲバラの復刻、といいたくなるルックスです。
しかしどうしても全く違う部分が文字盤だったのです。
算用数字を用いたアラビア数字文字盤は、どうしてもゲバラの使っていたモデルとは見た目が異なる印象を受けてしまうのです。
世界888本限定で生産されたモデルは、このアラビア数字文字盤の部分をバーインデックスという、数字部分を言語に関係なくシンプルに棒で表示したものなのですが、見た目で考えるとこのモデルが最もゲバラの使っていたものに近い印象を受けます。
資料として残っているのは白黒写真なので、文字盤のカラーまでは不明ですが
画像のモデルが一番近い雰囲気に仕上がっています。
あまり明るいグリーンではなく、抹茶のような控えめなグリーンなのがカラフルな印象を受けない部分と言えます。
バイヤー:合田圭四郎

正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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